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怖い話を集めるブログ

怖い、不思議、謎な話をネット上から拾ってきます。

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目のない人

僕はオトナになった今でも視力はそれなりに高いのですが、なぜか健康診断等でE判定を受けてしまう。視力は良いのに。なので、この類の話は興味があるというか・・・。

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最近『目のない人』をよく見かけるようになった。
普通の盲目者ではない。眼のある位置に、やたら大きく、黒い空洞がある人だ。
街角の、何気ないところに立っていて、少し離れた場所から俺をじっと見つめている。
俺からは、たいてい見え辛い距離にいるんだけど、目の空洞はなぜか良く分かる。
多分俺はいつか失明するのだろうけど、仕方ない。
俺の家は、ぶっちゃけた話呪われているのだ。


584: 本当にあった怖い名無し:2010/05/11(火) 02:30:23 ID:heQnbitS0
話しづらいことだけども。
俺の父は幼少期、とある小さな山村で暮らしていた。
だが、祖父の兄のTという男が、隣人を殺したことで、一族ごと村八分にあい、
逃げ出すように引っ越した。引越し先が、いま俺の住んでるこの家なんだけど。
殺人犯のTなんだけど、祖父が言うにはこれがどうしようもない男だったらしい。

酒を飲んでは、見境無く女に手をだしていたそうだ。
放っておくと、人妻であろうが幼女であろうが強姦する男だったので
まわりにいる良識ある誰か、大抵は祖父だったのだが、Tを止めなければならなかった。
しかし、そうするとTは激怒し、暴れだしていた。止めようとした人間に、ひどい暴行を加えていたそうだ。
Tは体がとにかく大きく、喧嘩の強い人間だったため、一度激怒すると誰も止めることはできなかった。


585: 本当にあった怖い名無し:2010/05/11(火) 02:32:15 ID:heQnbitS0
隣家の家長のKが殺されたのは、Tを止めようとしたのが原因らしい。
奥さんをTに強姦されそうになり、堪えかねてTを殴ってしまった。これがTの逆鱗に触れた。
Kを殴り倒してのしかかり、ひたすら殴り続けた。
Kの家族は、Tの怖さに震えるばかりで、何もできなかったそうだ。

Kは、動かなくなっても殴り続けられた。顔は、文字通り潰れ、およそ二倍の大きさまで膨れ上がる。
顔中に紫色の痣が出来、もはや誰の顔だか判別できないほど変形させられたそうであった。
Tは、最後に、何を思ったか、ピクリとも動かないKの顔から、両眼球をえぐりだした。

そのまま、目玉を酒瓶に入れ、どこかに持っていってしまったそうだ。
その目玉は、帰る途中で酒瓶ごと、川に投げ捨てた、とTは言った。そのまま目玉は行方知れずとなった。
俺の祖父一家は、お詫びの意味もこめ目玉を探したが、結局見つからずじまいだった。
この一件のために、俺の一家はいわば目玉の呪いというものに受けたそうだ。


586: 本当にあった怖い名無し:2010/05/11(火) 02:33:22 ID:heQnbitS0
Tは、俺が生まれた頃に、酷い病気にかかった。目玉が、両方腐り落ちてしまったそうだ。
原因は不明である。Tはそのまま病死した。
その頃、祖父も目の病気に罹り右目を失明した。ほどなくして左目の光も失ってしまった。
父は、現在進行形で目の悪い病気にかかっている。
治る見込みはなく、視力がどんどん弱まり失明していくだけらしい。

俺は、まだ目の病気をもっていない。が、最初に言った目のない人は良く見かける。
いまだ危害を加えられたり、近くに寄ってこられたりはしていないが、彼を見かける度に背筋が凍る。
弟も、目のない人を見かけたことがあるという。父も、俺と同じ年のころ良く見かけたそうだ。
目のない人=Kなのかは、俺には良く分からない。けどなんとなく実感している。
これが呪いって奴なんだな、と。

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アベジョウジ

ちょい長いけど
俺が小学生の頃の話。

俺、両親、姉、祖父母、叔母×2で住んでた。

木造2階建ての借家。

俺の部屋はねーちゃんと2人で2階。
その隣の部屋には両親。
下の階には居間と仏間、台所と部屋1つ。その部屋と短い廊下で繋がった『離れ』があった。

部屋には叔母×2、離れには祖父母。
その家には小学校1年生の頃に引っ越した。

引っ越してすぐ驚いた。
家中お札だらけ。
この歳になって引っ越す前に家を見学してなかったのかという疑問はあるが
その当時はそんなこと考えずにただ「気持ち悪いなぁ」と思っていた。

じーちゃんが「何かこれ。気色の悪か」って言ってお札を全部剥がして回った。

いや、じーちゃんが前住んどった家も真裏墓地で周り街灯なくて
外にボットン便所ってゆーなかなか気色悪い家やったやんww


377: 本当にあった怖い名無し:2012/05/24(木) 21:49:20.01 ID:c4AVIHjyO
続き

で、そのお札が関係してるのかは分からないが、色々不思議なことが起きた。
まずその家に越してから頻繁に同じ夢を見るようになった。

家の離れの床に蓋みたいなのがあってそれを開けると地下に続く階段がある。(実際にはそんなもんなかったが)
それを降りていくと浮浪者みたいなおじさんが狭い部屋でニコニコしている。
「おじさん誰?」
と話し掛けるとおじさんはニコニコしたまま
「アベジョウジ、アベジョウジ」
と呟く。

ただそれだけの夢だったけど気持ち悪く思ってた。
で、驚いたことにねーちゃんも全く同じ夢を見てたらしい。

他にあったのは俺以外の7人はみんな昼でも夜でも仏間で寝ると金縛りにあい、
ドアの磨り硝子越しに白い人影がスーッと動くのを見たらしい。

一番年下の俺を全員で口裏合わせてからかっていたのかもしれないが、
あの厳格なじーちゃんまでもが同じことを言ってたから信じるしかないと思う。

それから他には居間に1人でいたとき。
ふと視線を感じて後ろを振り向く。
後ろには襖。その奥は仏間がある。

気のせいかと思い前を向き直す。
でもやっぱり視線を感じて振り向く。
で、ふと上を見ると襖の上の欄間(木彫りのやつ)の隙間から目が覗いてた。
でも高さが3メートルぐらいあるしありえないと思って恐る恐る襖を開けた。
もちろん誰もいない。
一体あれは何だったんだろう…


378: 本当にあった怖い名無し:2012/05/24(木) 21:49:52.87 ID:c4AVIHjyO
ラスト

そして時は流れて俺は中学生に。
祖父母と叔母×2は家を出てうちの家族だけで暮らしてた。
俺の部屋は変わらず、ねーちゃんが隣の部屋に、両親が離れに移った。

俺が部屋で夜中ラジオを聴いていた。
その日は雨が降っていた。
で、雨の音が止んで、何となく外の様子が気になったからカーテンを開けた。
その窓にしわくちゃの爺さんが張り付いてた。
慌ててカーテンを閉めたけどあのどす黒い肌と血走った目は忘れられない。


そして俺も成長して叔母さんに子どもが生まれた。
可愛い女の子。
ちょくちょく家に遊びにきてさ。
割と話せるようになってきたときニコニコしながら
「アベジョージ、アベジョージ♪」
って急に言い出したときはねーちゃんと2人顔見合わせて驚いた。
両親と叔母さんは「?」ってな感じで。

今年高校生になったいとこに
「アベジョウジって覚えとうや?」
って聞いても
「何それ?」
って言われる。


もうあの家は離れて一人暮らししてるけど、たまにふと思い出す。

俺にとっては怖かった家の話。

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ビデオメッセージ

会社の同僚が亡くなった。
フリークライミングが趣味のKという奴で、俺とすごく仲がよくて
家族ぐるみ(俺の方は独身だが)での付き合いがあった。

Kのフリークライミングへの入れ込み方は本格的で
休みがあればあっちの山、こっちの崖へと常に出かけていた。

亡くなる半年くらい前だったか、急にKが俺に頼みがあるといって話してきた。
「なあ、俺がもし死んだときのために、ビデオを撮っておいてほしいんだ」

趣味が趣味だけに、いつ命を落とすかもしれないので、あらかじめ
ビデオメッセージを撮っておいて、万が一の際にはそれを家族に見せてほしい、
ということだった。俺はそんなに危険なら家族もいるんだから辞めろと
いったが、クライミングをやめることだけは絶対に考えられないとKは
きっぱり言った。いかにもKらしいなと思った俺は撮影を引き受けた。

Kの家で撮影したらバレるので、俺の部屋で撮ることになった。
白い壁をバックに、ソファーに座ったKが喋り始める

「えー、Kです。このビデオを見てるということは、僕は死んで
しまったということになります。○○(奥さんの名前)、××(娘の名前)、
今まで本当にありがとう。僕の勝手な趣味で、みんなに迷惑をかけて
本当に申し訳ないと思っています。僕を育ててくれたお父さん、お母さん、
それに友人のみんな、僕が死んで悲しんでるかもしれませんが、
どうか悲しまないでください。僕は天国で楽しくやっています。
皆さんと会えないことは残念ですが、天国から見守っています。
××(娘の名前)、お父さんはずっとお空の上から見ています。
だから泣かないで、笑って見送ってください。ではさようなら」



506: 2/4:2010/06/24(木) 14:55:19 ID:2baYGPaj0
もちろんこれを撮ったときKは生きていたわけだが、それから半年後
本当にKは死んでしまった。クライミング中の滑落による事故死で、
クライミング仲間によると、通常、もし落ちた場合でも大丈夫なように
下には安全マットを敷いて登るのだが、このときは、その落下予想地点
から大きく外れて落下したために事故を防ぎきれなかったのだそうだ。


通夜、告別式ともに悲壮なものだった。
泣き叫ぶKの奥さんと娘。俺も信じられない思いだった。まさかあのKが。

一週間が過ぎたときに、俺は例のビデオをKの家族に
見せることにした。さすがに落ち着きを取り戻していたKの家族は
俺がKのメッセージビデオがあるといったら是非見せて欲しいと言って来たので
ちょうど初七日の法要があるときに、親族の前で見せることになった。

俺がDVDを取り出した時点で、すでに泣き始める親族。
「これも供養になりますから、是非見てあげてください」とDVDをセットし、再生した。



507: 3/4:2010/06/24(木) 14:55:59 ID:2baYGPaj0
ヴーーーという音とともに、真っ暗な画面が10秒ほど続く。
あれ?撮影に失敗していたのか?と思った瞬間、真っ暗な中に
突然Kの姿が浮かび上がり、喋り始めた。
あれ、俺の部屋で撮ったはずなんだが、こんなに暗かったか?


「えー、Kです。このビデオを・・るということは、僕は・・んで
しまっ・・いう・・ります。○○(奥さんの名前)、××(娘の名前)、
今まで本・・ありが・・・」

Kが喋る声に混ざって、さっきからずっと鳴り続けている
ヴーーーーーーという雑音がひどくて声が聞き取りにくい。



「僕を育ててくれたお父さん、お母さん、
それに友人のみんな、僕が死んで悲しんでるかもしれませんが、
どうか悲しまないでください。僕はズヴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
アアアアアアアアアアアアア××(娘の名前)、お父さん死んじゃっヴァアアアアアアア
アアアアアア死にたくない!死にズヴァアアアアアアアにたくないよおおおおヴヴァアア
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア、ザッ」



背筋が凍った。
最後の方は雑音でほとんど聞き取れなかったが、Kの台詞は明らかに撮影時と違う
断末魔の叫びのような言葉に変わり、最後Kが喋り終わるときに
暗闇の端から何かがKの腕を掴んで引っ張っていくのがはっきりと見えた。



508: 4/4:2010/06/24(木) 14:58:28 ID:2baYGPaj0
これを見た親族は泣き叫び、Kの奥さんはなんて物を見せるんだと俺に掴みかかり、
Kの父親は俺を殴りつけた。奥さんの弟が、K兄さんはいたずらで
こういうものを撮るような人じゃないとなだめてくれたおかげで
その場は収まったが、俺は土下座をして、すぐにこのDVDは処分しますといってみんなに謝った。

翌日、DVDを近所の寺に持っていったら、処分をお願いしますという前に
住職がDVDの入った紙袋を見るや否や「あ、それはうちでは無理です」と。
代わりに、ここなら浄霊してくれるという場所を教えてもらい、行ったが
そこでも「えらいとんでもないものを持ってきたね」と言われた。

そこの神主(霊媒師?)によると、Kはビデオを撮った時点で完全に地獄に
引っ張り込まれており、何で半年永らえたのかわからない、本来なら
あの直後に事故にあって死んでたはずだと言われた。

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間違い電話

この間、俺が1人で残業をしてるときに電話が鳴った。
夜7時半くらいだっただろうか。
俺が勤めているところは小さな町工場で、
建っている場所も街からちょっと外れた山のそばのため
この時間になると周囲に人影もない。

「はい、○○工業です」
「ああ、サンジかぁ?」

しわがれた爺さんの声だった。
サンジとは何のことか全くわからないが、聴いた瞬間
俺は「ああ、また間違い電話か」と思った。

というのも、うちの会社の電話番号は、地元のタクシー会社の
電話番号と1番しか違わないために、病院を使う爺さん婆さんが
よく間違えてうちに電話をかけてくるのだ。

「いえ、違いますよ」
「んぁぁ?」
ガチャ

要領を得ない年寄りの電話は一方的に切ることにしていた。
こっちが会社名を名乗った時点で気づいてもらいたいものだが。

また電話が鳴った。


412: 2/5:2010/07/07(水) 23:08:23 ID:cQdVfgkq0
「もしもし、○○工業です」
「ああ、サンジかぁ?」
「違います。タクシーの番号なら、×××-××××ですよ」
「んぁぁ?」
ガチャ

一度の電話で間違いに気づかないとは相当ボケてるのか。
こっちはまだ事務処理が残ってるんだからもうかけてくるなよ。
しかし、その願いもむなしくまた電話は鳴った。

「もしもし、○○工業です」
「ああ、サンジかぁ?」

腹が立ってきた。もういっそのこと「そうです」と言ったらどうなるんだろう。
俺はいたずらのつもりで「そうです、何か御用ですか?」と言ってしまった。


「おお、サンジか。じゃあ今からそっちに行くからな」


え?
この爺さんはどこに行こうとしてるんだ?爺さんの勘違いで
見当違いの場所に出かけてトラブルになってもまずい。
俺は間違いだと伝えるために、今かかってきた番号にリダイヤルした。


413: 3/5:2010/07/07(水) 23:09:10 ID:cQdVfgkq0
「もしもし」 若い女の声だ。

「あのー、○○工業といいますが、今ですね、そちらのお爺さんから電話がありまして」
「は?なんですか?」
「お宅のお爺さんから、今うちの方に電話がありまして、それで・・・」
「なんですか?うちに男はいませんけど」
「え?お爺さんというか、男の人自体住んでらっしゃらない?」
「なんなんですか?いたずらなら警察を呼びますよ」


どういうことだこれは。
かかってきた番号にそのままかけなおしたのだから
番号の間違いということはない。でも電話先には女しかいない。
さっきの爺さんは一体なんだったんだろう

ドガッドガッドガッ!

突然俺がいる事務所のドアが激しく叩かれた。
びっくりしてドアの方を見ると、ガラス戸の外には誰もいない。
呆然としてドアを眺めてるとまたドガッドガッドガッ!と激しい音がした。
なんなんだ、と思って恐る恐る近づいてみると、ガラス戸の外の
死角になっていた部分に、顔と腕が赤く焼け爛れた男が立っていた。
俺は「うおおおおおおお」と叫び、腰を抜かしてしまった。
よく考えたら、そのドアには鍵がかかってない。


414: 4/5:2010/07/07(水) 23:09:58 ID:cQdVfgkq0
しかし、その男はドアを開けて入ってこようとはせず、
なぜかひたすらドガッドガッドガッ!とドアを叩き続けていた。
(叩くというか蹴っていたのかも。腕が全く動いてなかった)

ドアに鍵をかけようか、それとも奥に逃げようか迷っていたら
いきなり電話が鳴ってまた心臓が止まりそうになった。
必死に電話までたどり着いて取ると、社長からだった。

「もしもし、お疲れ、仕事の調子はどう?」
「いや、それ、それどころじゃないっす。今、外にすげーのがいます」
「あー、何か出たの?じゃあな、神棚に供えてある酒をひたいと首につけろ。
そしたら、神棚を開けてご神体を見えるようにしてみろ。多分そいつ消えるぞ」

俺は震える足で必死に神棚までたどり着いた。外では未だにドガッドガッドガッと音がする。
言われたとおり、酒を額と首につけて、神棚を開けた。すると、グシャッという音がしたと思ったら
それっきり何の音も聞こえなくなった。ドアの所にいた男も消えていた。

次の日、社長に昨日の出来事を話すと「やっぱそういうことも起きるんだな」と、
全て知ってるかのような言い方だったので詳しく聞いてみると、この会社が建っている場所は
霊の通り道で、変な霊が騒ぎを起こすと霊媒師から言われていたので、会社を建てるときに
あらかじめ、壁という壁全てにお札を練り込んであるから、どんな霊も入って来れないように
なってるんだと自慢そうに語っていた。言うならば霊対策のセキュリティだ。


415: 5/5:2010/07/07(水) 23:10:50 ID:cQdVfgkq0
で、さらに後日、俺は個人的に霊能者を訪ねた。
会社の土地を見て、お札を壁に練り込んでくれたあの霊媒師だ。
話を聞くと、うちの会社が霊の通り道に建っていることは本当で、
壁にお札を練り込んであるので余程怨念の強い霊でなければ破れない、というのも本当。

「しかし・・・」 霊媒師は気が進まなそうに言った。

「社長がどうしてもあそこに建てると言うから、仕方なく壁にお札を練り込んだけどね・・・
そのせいで、あそこ、霊の通り道だったのが完全に塞がれてる状態なんだよね」

「それが、何かまずいんですか?」

「あそこを通って霊はいろいろな場所に行ってたんだけども、そこを塞いだために
霊は行き場を失って怨念が強まるという危険があるんだよ。あの結界を破れる霊は
そうそういるもんではないけども、このまま強制的に怨念が強まることになれば
いずれ、あれを破るほどの強い怨念の霊が生まれるかも知れないんだ。
そうなると、私にも、もう対処しきれなくなるからね」 

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汚らしい人形

3年ほど前の話

高校を卒業して工場に正社員として入社した俺は当時3年目の若手社員だった。
その日はいつも通り仕事をしていたが一人の上司(A)が変な物を持ってきた。

A「なぁK(俺)、これ何だと思う?」

そう言って出してきたのは5センチ位の汚らしい人形だった。
手作り感が否めないその人形は厚さ1センチくらいの汚らしい布製の人形だった。

俺「なんですかそれ?どこからもってきたんですか?」
A「いや、ウェスあるじゃん。あれの中に入ってたんだよ」

ウェスとはいらなくなった衣類を切り刻んで工場などに出されている、言わばぼろ雑巾の
様な感じで何かを拭くときなどに使われる物だ。
そしてそのウェスの中にはたまにお金やアクセサリなどが混入しているときがある。
(誰かが着用していた服なのでポケットの中とかに)

俺「何か気持ち悪いっすね、それ」
A「うん・・・まぁいつもの通りこの服着てた人の忘れ物だと思うけどな」

その日から身の回りで変なことが起こり始めた。


76: 本当にあった怖い名無し:2010/07/15(木) 23:50:51 ID:tHj9scAK0
>>75続き

翌週の夜勤の時、工場のラインが停止するとのことで
普段よりもシーンとした夜勤だった。

こういう工場の停止期間は定常作業をやめて清掃や普段やらない整備作業を
やるのだが、その日俺は床のペンキ塗りをやることになっていた。

薄暗い倉庫にペンキを取りに行った時、薄気味悪い倉庫の雰囲気がいつもより
嫌な感じがして俺はジトーっとした汗をかいた。

髪の長い(特に襟足)俺は襟足をゴムで縛っているのだが誰かにグイッと引っ張られた。

俺「いだっ!!いだだ!!」

後から来た上司だった。
と言いたいところだが、誰もいない。

その瞬間今まで体の中に潜んでいた恐怖心が鳥肌と共にゾワァーっと吹き出てきた。
俺はペンキを床にぶちまけ、転びながら走って倉庫を出た。

俺「Aさん!!やばい!!誰か俺の!!」
A「なした?てか顔にペンキ着けてw馬鹿じゃねーのwww」

ペンキ・・・こぼしたけど顔にかかってはいない。
詰め所に戻って鏡を見ると3本の指の形が俺の左頬を滑らせたかのように汚れていた。


77: 本当にあった怖い名無し:2010/07/16(金) 00:05:08 ID:pkqp8oDm0
>>76の続き

俺の顔にペンキを塗ったのを皮切りに不可思議な現象は起こる一方だった。

・Aが一人で会社の風呂に入っていると窓が勝手に空いた
・夜勤で天井クレーンの方を見ると黒い影が落ちていった
・2人なら大丈夫だと思い倉庫に行くと2人とも誰かに押された
・そんなこと起こる訳がないと言った上司Bが倉庫に一人で行き
 泣きそうな顔をして戻ってきたetc...

そんな現象に耐えながらも1ヶ月が過ぎようとしていた頃
Aがまた人形を見つけ持ってきた。

A「おーい、またあったぞこの人形・・・」
俺「うわ・・・・てか、それ出てきてたらですよね、変なこと起こり始めたの・・・」
A「あぁ・・・でもこの人形前のより表情があるっていうか、むかつく顔してるよな」

確かに、言われてみれば前よりも表情豊か、と言うか腹の立つニヤけた顔だった。
俺たちはその人形を燃やすことにした。
ちょうど使っていたガス溶断機でその人形を完全に燃やした。

その時何とも言えない臭いに作業場が包まれた。
(翌日来た他作業者には怒られた)


79: 本当にあった怖い名無し:2010/07/16(金) 00:15:06 ID:pkqp8oDm0
>>77の続き
それから少しの間人形は見つからず平穏な日々を過ごしていたある日
俺は朝からの勤務で、倉庫にて作業をしているといつもウェスを運んでくる
おっちゃん(D)に会った。

少し世間話をし、ふとおっちゃんの乗ってきた車を見ると後部座席におばちゃんが乗っていた。

俺「ねぇ、あの人誰です?いつも一人ですよね?」
D「あぁ、何か今日は私も乗せてけって聞かないから連れてきたんだよ」
俺「へぇ、手伝いもしないのに変な人で」

俺は言いかけた言葉を全部飲み込んだ。

そのおばちゃんは俺と目が合った瞬間ニターッと笑い
確かに『ミ ツ ケ タ』と口を動かしていた。

D「まぁ気にしないでくれ。変な人なんだよ。いつも一人で人形とか作ってたりしてる人なんだ」

俺「あ・・・・あ、俺もう行きますね・・・別の仕事もあるんで・・・・それじゃ・・・」
俺は走って逃げた。


80: 本当にあった怖い名無し:2010/07/16(金) 00:19:09 ID:pkqp8oDm0
最後

それから俺は仕事で背中に焼けどを負ったり
いろいろ怪我が絶えなかったけど最近は何も起こらなくなった。

なんせ、おっちゃんの話によるとあのおばちゃん火事で死んだらしい。
人形を燃やしたのが何か関係あるとするのなら因果応報?的なあれだろう。
そして上司のAさんも火事で亡くなった。

きっと俺の代わり、いや、俺もその内死ぬ予定だったんだろう。

これで終わりにします。
お粗末さまで下

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