怖い、不思議、謎な話をネット上から拾ってきます。
7~8年前、茨城の下妻に出張した時のこと。
宿泊したのは、下妻の繁華街(?)から車で少し行ったとこ。
地ビールと温泉があって、出来たばかりなのか新しくてきれいだった。
温泉に入り、地ビールでご機嫌になった俺は、ロビーのテレビで野球中継を見てた。
俺の他にもロビーには4、5人いて、それぞれ思い思いのことをしてた。
突然『ギャーッ!』というような、女性の叫び声が聞こえた。
テレビからじゃない。
何だ?と思って辺りを見回すが、特に何もない。
900:本当にあった怖い名無し:2008/09/05(金) 01:15:54 ID:Lx6XZFJ0O
でも、何かおかしい。
あんなでかい声なのに、誰も聞こえてないみたいだ。
不思議に思って、もう一度周りを見る。
すると、一人の女性と目が合った。
『あなたも聞こえたの?』ってな感じでこっちを見てる。
黙って頷くと、その人はこっちに寄って来て小声で話し掛けてくる。
『何なんですか?他の人には聞こえてないみたいだし…』
いや、そんなこと俺にも分からんし…、と思っていると
『あっちの方からでしたね…』
と、外の駐車場の方を指差した。
901:本当にあった怖い名無し:2008/09/05(金) 01:17:24 ID:Lx6XZFJ0O
確かに、叫び声は駐車場の方からだったけど、そのホテルの駐車場はかなりの広さ。
しかも、明かりはあるけど、それでもかなり暗い。
ロビーから覗き込んでると
『行って…みます?』
とか、ありえないことを言い出す。
残念なことに、男らしく「無理!」と断言するには、その女性は若くて可愛いかった…
ちょっと下心を持ちつつ、一緒に外へ出る。
駐車場は、ホテルの出入り口を出て、車が対面通行出来るくらい広い道を挟んで向こう側。
おっかなびっくり道を渡り駐車場へ。
その時女性が駐車場の奥を指差し
『あそこ!』
とか言ってる。
902:本当にあった怖い名無し:2008/09/05(金) 01:18:34 ID:Lx6XZFJ0O
指差してる方を見る。
RV車が止まってた。
「車だよ?」
『…その下の。…何?』
よく見ると、その車の下に何かある。
というより、何か…いる!
人が地面に寝転がって、もがいてるみたい。
さっきの叫び声は、こいつが誰かに襲われて出したのか?
怪我でもしてるのかと思い、急いで近づく。
少し行ったところで
『ちょっと待って』
と女性から。
?と思い振り返ると、女性が震えてるみたい。
『何?あれ何?』
俺は視力が良くないのではっきりは見えないが、人がうつ伏せになってるように見えた。
903:本当にあった怖い名無し:2008/09/05(金) 01:21:29 ID:Lx6XZFJ0O
急がなきゃ、と小走りで駆け寄る。
が4、5歩進んで止まる。
這いずりながら、それは近づいて来ていた。
見た目は人だが、動きが人っぽくない。
「何か…ヤバいぞ…」
そいつは、ゆっくり顔を上げようとした。
直感的に、目があったらヤバい、と思い、ダッシュでホテルへ。
途中、固まってた女性の手を取って、半ば引きずるように中へ。
ホテルの中は、さっきと変わってなかった。
強いて言えば、ゼイゼイ言いながらホテルに飛び込んで来た二人組に、
奇異の目が向けられたくらい。
904:本当にあった怖い名無し:2008/09/05(金) 01:22:43 ID:Lx6XZFJ0O
「ついてきてるかな?」
『わからない…』
恐る恐る後ろを振り返って、自動ドアのガラスの方を見ると、取りあえずは何も見えない。
ホッとして、二人とも地ベタに座り込む。
その日はお互いにそのまま各自の部屋へ、グッタリして戻った。
ただ、とてもじゃないけど怖くて寝れないので、翌朝まで明かりを点け、テレビを見て過ごす。
翌朝8時頃、チェックアウトの為フロントへ行くと、
ホテルの従業員らしき人が首を捻りながら自動ドアを拭いている。
905:本当にあった怖い名無し:2008/09/05(金) 01:24:56 ID:Lx6XZFJ0O
どうしたのか聞いてみると、ドアガラスの外側に
手の跡がついていて、いくら拭いてもおちないらしい。
見てみると、ガラスの真ん中やや下あたりに、ベタベタといくつか手の跡が。
昨晩のことを思い出してうすら寒くなり、速攻でチェックアウトしてホテルを後にした。
後で気付いたんだが、
あの女性の連絡先を聞きそびれてた。
もったいないことをしたな…